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LinuC レベル1 合格体験記

 LinuCのレベル1に合格したので、主に勉強方法や試験当日についての体験記を書きます。

LinuCとは

 LinuCは正式名称をLinux技術者認定試験と言い、その名の通りLinuxの技術力を測るテストです。

linuc.org

Linuxの資格には有名なLPICもありますが、こちらは全世界共通で実施されており、一方でLinuCは日本のIT市場に特化した日本独自の資格です。LinuCにはレベル1、レベル2、レベル3があり、レベル3を受験するにはレベル2に合格する必要があり、レベル2を受験するにはレベル1に合格する必要があります。また、レベル1とレベル2には2つの試験があり、両方に合格しないとそのレベルに合格したことになりません。

今回は第一歩となるレベル1の101試験と102試験の合格についてです。

勉強開始前

  • Linuxは業務で毎日使うが、コマンドは基本的なもの(ls, cd, cat, mkdir, grepなど)しか知らない
    • 基本的なコマンドでもオプションは覚えていなかったりするので、その都度ググっていた
  • sshdockerは業務でよく使うため事前に知識があり
  • 基本情報技術者試験応用情報技術者試験に合格しており、基本的なITに関する知識は持っているはず

勉強方法

 私は101試験から受験して、101試験、102試験のどちらも下記の順に行いました。

  1. 参考書を一通り読んで、実際にLinux環境でコマンドを叩いてみる
  2. 問題集を解いて、解説をすべて読む
  3. 参考書と問題集の問題をすべてもう一周する

1. 参考書を一通り読んで、実際にLinux環境でコマンドを叩いてみる

 参考書は、あずき本と呼ばれている「Linux教科書 LinuCレベル1 Version 10.0対応」を使いました。 あずき本を読みながら、登場したコマンドや設定ファイルはできるだけLinux環境で実際に確認しました。Linux環境としては、あずき本にも記載があるVirtualBoxクラウド上のLinuxサーバーを使いました。 この試験では、コマンドのオプションやファイル名をある程度暗記しなければならないので、実際にLinux環境で動作を確認することは理解を深めるうえで重要だと思いました。ただ、パーティション管理やファイルシステムの作成など、実行するための準備が面倒なコマンドはあずき本を読むだけにしました。

2. 問題集を解いて、解説をすべて読む

 問題集は、「Linux教科書 LinuC レベル1 スピードマスター問題集 Version10.0対応」を使いました。 個人的には、問題集の方があずき本よりも問題の難易度が高く感じました。問題集の解説は詳細に記載されているため、正解した問題についても一通り読んでおきました。

3. 参考書と問題集の問題をすべてもう一周する

 最後に、復習として参考書の練習問題、模擬試験と問題集の問題と模擬試験をすべて解き直しました。すべての分野で9割程度の正答率になっていたので、私はこのまま受験しました。

勉強時間

 勉強時間はよく覚えていないのですが、101試験、102試験のどちらも1ヵ月半程度だったと思います。1ヵ月半の間毎日勉強していたかというとそんなことはなく、土日に1時間ずつだけ勉強するということも多かったので、各試験30時間未満で勉強した記憶です。 ちなみに、101試験に合格してから約3ヵ月後に102試験の勉強を開始しました。

受験申し込み

 受験の申込みはこちらのページから行いましたが、初回の受験時(101試験)はEDUCO-IDとピアソンVUEアカウントを新規発行する必要があったので、少し面倒(住所を英語表記で入力など)でした。  私は自宅での受験を選択したのですが、受験日は平日の午後の時間帯から結構自由に選択できるみたいでした。申し込みの翌日から選択できる場合もあるみたいです。

試験当日

 私は他の方の合格体験記から受験環境の撮影が必要という情報を得ていたので、受験するPCデスク周りはできるだけものを置かないようにしました。とはいえ1Kに住んでいるため、同じ部屋に複数のディスプレイやPCがある状態でした。そのため、ディスプレイには無理やりカーテンや新聞紙を被せて、後述する360度撮影でバレないようにしました。

試験当日は、開始時刻の30分前から試験へのチェックイン(下準備)ができるため事前にメールで届いたリンクから実施しました。 試験の開始までに、下記の実施を要求されました。

  • 試験に使用するPCのカメラ、マイク、スピーカーが正常に動作するかの確認
  • ネットワーク環境の正常性確認
  • 不要なアプリケーションが動作していないかの確認
  • 受験者の肩から上の写真(スコアレポートの写真に使われてました)
  • 身分証明書の表面と裏面の写真を撮影(スマートフォンで実施)
  • 受験する自宅環境の前後左右を撮影(スマートフォンで実施)
  • 試験官からチャットでPCのカメラに以下を映すように指示
    • 試験に使用する机(机の上に不要なものがないかの確認)
    • その場でカメラを持ち上げて360度全方向を映す(カメラを持って回転すればヨシ)
    • (眼鏡をしていれば)眼鏡(特殊な機能がついていないかの確認)
    • 両腕(腕時計をしていないかの確認)

 上記の確認がすべて終わり、こちらから確認したいことがなければ試験の開始となりました。試験開始前と試験中の試験官とのやりとりはすべてチャットでした。また、試験中は常にPCのカメラでこちらが撮影されている状態でした。 試験時間はアンケートも含めて90分ですが、すべての問題を解き終えたら途中で終了可能だったので、私はどちらの試験も40分くらい残して終了しました。(もちろん時間ギリギリまで見直し可能です)試験問題の難易度は、あずき本の問題以上、問題集の問題以下といった感じでした。 試験終了後は、試験官とのやりとりはなく自動で撮影が停止してアンケート画面に遷移した感じでした。

総得点と分野別の正解率

 上記の勉強で受験した結果は下記でした。

101試験

102試験

  • 総得点:720点
  • 合格基準:480点
  • 分野別正解率
    • シェルとスクリプト:100%
    • ネットワークの基礎:78%
    • システム管理:100%
    • 重要なシステムサービス:77%
    • セキュリティ:100%
    • オープンソースの文化:66%

最後に

 私がLinuCを受験した目的は、Linuxが枯れている技術であり、一度体系的に学んでおけば今後の趣味や業務などで応用が効きそうと思ったからです。その第一歩としてLinuCレベル1を受けてみて、結果としては体系的に学べているなと感じました。私は普段からLinuxに触れていますが、使うコマンドというのは限られていてオプションまで覚えているのはごく一部になっています。今回の勉強を通して、初めて知ったコマンドのオプションをすべて覚えたわけではないですが、「これができるコマンドがある」という認識が得られたのは良かった点の1つだと思います。(そもそもコマンドの存在を認識できていないと調べるという発想に至らないこともあるので)
 LinuCレベル1に合格したことで、LinuCレベル2の受験資格が得られたので、モチベーション次第でLinuCレベル2にもチャレンジできればと思っています。